星野ヒカルの仮想通貨関連小説

初めまして星野ヒカルといいます。仮想通貨の可能性に惚れこみ自ら仮想通貨の投資をやりつつ仮想通貨を世の中に知らしめたいと思いこのブログを開設しました。

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 15 ~

十五 11月も半ばを過ぎたこの頃、しかも深夜ともな れば一段と寒くなるの普通の事なのだが、この人 気のないビルディングの建設現場の一角にあるプ レハブ小屋の中だけは、異様ともいえる熱気に包 まれていた。 「ほら、早くこいつ裸にむいちゃいなよ」 もう…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 14 ~

十四 由香里の意識が徐々に戻って来て、少し身体を 動かそうとした時「ズキッ」っと後頭部に痛みが 走った。 「ウグッ」 声にならない呻きが洩れた。それもその筈で由 香里の目と口は、ガムテープでしっかり塞がれて いて、かろうじて鼻腔だけは塞がれてない…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 13 ~

十三 渋谷の繁華街と言えども一歩裏手に入ると普通に 薄暗い路地はあるもので、その一角にどう見てもガ ラの良く無さそうな高校生の数人が、やはり同年代 と思われる少年二人を取り囲んでいた。中でも背が 高くて一番眼つきの悪いそいつが、その少年の胸ぐ …

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 12 ~

十二 「うーっ、正直息がつまる」と、自分の部屋なのにそ う思っている僕がいた。それは、部屋中に充満してい る煙草の匂いと煙のせいだったが、もう我慢の限界と勇気を振り絞って田崎所長に言った。 「あのー、田崎所長コンビニに行きますけど何かいる 物が…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 11~

十一 「何で、こんな事に・・・」 僕は、焦る心を押さえて夜の渋谷の繁華街を走っ ていた。 話は一週間前に遡ることになる。由香里さんの伯 父さん、田崎所長の許しを得て「僕の部屋に侵入し た犯人探しと言うミッション」は、めでたく田崎探 偵事務所の仕事…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 10 ~

十 危険に遭遇したときの恐怖をあらゆる動物は、 もっと肌で感じ想像して行動すべきである。底 無し沼に落ちてしまった森の小鹿を、誰も助け てはくれないのだ。ただ沼に足を踏みこんでし まった自分の軽率さを呪いながら泥の中に沈ん でいくだけしかないの…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 9 ~

九 映画館の中は日曜日という事もあって、ほぼ 満席状態だった。上映時間になり照明が落とさ れ暗さに眼が慣れた頃、僕は買っておいたコー ラを飲んだ。出来るだけ音をたてずに由香里さ んの映画鑑賞の邪魔にならない様に、少しだけ 気を使った。由香里さん…

八 眼が覚めると、いつの間に帰ったのか由香里 さんの姿は無かった。彼女に掛けた筈の毛布は、 いまは僕の躰にあり、小さなメモには簡単な伝 言が綴ってあった。 「お世話になりました。じゃ、またね。田崎由 香里」 少し、二日酔い気味だったが気分は悪くな…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 7 ~

七 「この世界に存在するのは、老化と風化だけだ。 時間があるように感じるのは錯覚に過ぎないのだ が、困ったことに人間にとってこの錯覚がないと 非常に生きづらいと言うのもまた、事実なのであ る」 あの衝撃的な夜から一カ月が過ぎていた。監視 カメラの…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 6 ~

六 「ヴィーン、ガッ、ガッ、ガッ」 勢いよく充電式の電動ドライバーが台座を固定して 行く、彼女、いや由香里さんに教えられたとおりに隠 しカメラを出来るだけ目立たない所それでいて廊下全 体をカバー出来る場所に二カ所取り付けた。勿論、大 家さんには…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 5 ~

五 「ねえ、聞いてます?」 そう言われて、僕はハッとして彼女の眼を視てみた。 実は依頼した件を断られた後その理由を田崎所長が説明 してくれたのだが、それがあまりにも簡単すぎて僕は納 得しなかったのだ。 「まあ、単刀直入に申しあげますとこの件に関…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 4 ~

四 彼女を渋谷のスクランブル交差点で見かけてから1 週間が経っていた。部屋の鍵は防犯用の二重鍵に変え たので、侵入される不安は解消したのだが、どうにも 腑に落ちない疑問は解消するどころかむしろ僕の胸の 中で、まるで悪性の腫瘍の様に日に日に膨らん…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 3 ~

三 「うーんと、この辺だったけどな、あ、あった」 今朝、あんな事があったので気分一新の為にスカッと するような映画でも借りようと会社が終わった後、駅前 のレンタルショップに来たのだが新作にも中々これはと いう作品が無かったので思い切って古い作品…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 2 ~

二 駅を出ても僕たちはしばらく走っていた。何せ痴 漢現場から逃げ出した犯人なのだから出来るだけ犯 行現場から離れないとやばかった。 「はあーここまで来ればもう大丈夫よね」 彼女が言った。初めて見たときも美人だと思った が、息が上がってハアハア言…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 1 ~

REGAIN 一 不覚にも寝てしまっていた。昨夜、深夜放送でやって た映画「それでも、僕はやってない」が面白すぎてつい 最後まで見てしまったのがいけなかった。それから、直 ぐ寝たけど既に午前3時を回っていた。ハッと眼がさめ て気がついたときには,すでに…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車 12~

十二 成田国際空港は、千葉県成田市の南東部、三里塚 にある国際空港で長年にわたる空港反対運動を経て 現在ではレベル3とも言われる混雑空港に成長してい た。その空港の第一ターミナル南ウイングに重低音の エンジン音を響かせて一機の航空機が到着した。…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車 11~

十一 昔からピンチはチャンス、チャンスはピンチという 言葉があるが、それは日頃の努力が実ってやっと運を つかみかけている者を指す言葉で浩一の場合、この場 面でのピンチは本当の意味のピンチで闇金の連中にも し拉致でもされたら、これはちょっとシャレ…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車 10~

十 夢の中で浩一は大きな歯車に挟まれ苦しんでいた。 やがてその歯車が、大きな力でいきなり歪みはじめて 浩一の身体を押しつぶすように回転し始めたのである。 浩一の肉体は捻じ曲げられ内臓は飛び散りその四肢が バラバラになったところで眼が覚めた。 「…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車9 ~

九 灯りを消した部屋で、浩一はパソコンの前に坐って いた。その顔はパソコンの画面の青白い光に照らされ 闇の中に不気味に浮かんでいた。その眼はパソコンの 前においてある紙袋をじっと見つめている。紙袋の中 には昼間浩一が阿久戸金融から借りた三十万円…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車8~

八 2014年2月にビットコイン消失事件が起き、最終 的に500億円相当の被害が出て、同年4月にマウント ゴックス社は事実上の経営破綻に追い込まれた。 記者会見の放送が流れてあっという間にこのビット コインの取引高世界一と言われた取引所は崩壊した。 あま…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車 7~

七 「えー人生を生きて行く上で、、この世の中には三つの 坂があると言われています。先ず一つ目の坂は上り坂、 そして二つ目は下り坂、三つ目の坂がまさかと言う坂で す」 これは、よく結婚式のお祝いスピーチなどで会社の上司 とかがたとえ話に使う事の多…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車 6~

六 春に出た若葉がその盛りを過ぎ秋を迎え、色も眩し い緑から赤く色づきやがて冷たい北風に耐えきれずは らはらと地面に落ちた。冬を知らせる白い雪がしんし んとその落ち葉に積り、道路がまるで綿毛を敷き詰め たように真白になり、そして暖かい春風が又、…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車5~

五 「いやーっ、危なかったもう少しでアパート追い出さ れるとこだったよ」 浩一が取り敢えずしたのは、住居費、光熱費、通信費 の支払いだった。先ずこれを押さえとかないとネットビ ジネスどころかインターネットも使えないんじゃ笑えな い笑い話になって…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車4~

四 窮鼠猫を噛むと言うが、人間も例外ではないらしい 浩一が坂田からもらった仮想通貨を失ったのがちょ うど一週間前だったが、それからのこのダメ男の行 動は早かった。普通の人間だったら失った物が大き ければ大きいほどがっくりきて暫くは動けないもの …

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車3~

三 季節はいつの間にか、夏から秋に変わろうとしてい た。うるさかった蝉達も随分と少なくなり、今はひぐ らしが切なげにカナカナカナと鳴いている。浩一が、 坂田と酒を飲んでからもう二ヶ月近く経っていた。 失業保険はとっくに切れていたが、それでも浩一…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車2~

二 「いやーっ、お前最高のタイミングで連絡してくれた わ」 浩一が、ビール片手に満面の笑みで喋っている。 正 面に坐っているのは、坂田和彦という名前で浩一の 大 学の学友だった。 「びっくりだよ、久しぶりに日本に帰ってきたからお前 の顔でも見ようか…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車1~

歪んだ歯車 一 今いる、世界が全てならそれに従うしかない、それは そうだろうとは思っている。 多分もう決まっている運命なのだと、自分がどう逆らっ ても変えようもない事であったとして、それでも違う未 来があるような気持ちには時々なったりする。でも…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 7~

七 エピローグ 洋上の潮風が少し日焼けした顔に心地よかった。船室 に飽きて甲板に出てきた陽一は深呼吸して胸にいっぱい 新鮮な空気を吸い込んだ。日本の港を出てから一週間が 過ぎたのだが、まだ夢を見ているような気分が抜けない 陽一だった。夫婦は今、…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 6~

六 暗雲の向こう側 坂井家の住宅は、市街地の中心からかなり郊外の方にあ るので車で飛ばしても市内まで三十分はかかる。走りは じめた車内には妙な空気が漂っていた。今や猜疑心の塊 になっている父親は、押し黙ったままだし,息子の将来 を悲観している母親…

【仮想通貨小説】~仮想の果実5~

五 求めない誤解 陽一と順子は、二階の和彦に聞こえないように気を使 いながら小声で話しをしていた。和彦はまだ寝ているよ うだ。夫婦の話の中心はどうやって和彦を怒らせずに病 院に連れて行くかだった。あれから陽一は、和彦から自 分がいかにして億万長…