星野ヒカルの仮想通貨関連小説

初めまして星野ヒカルといいます。仮想通貨の可能性に惚れこみ自ら仮想通貨の投資をやりつつ仮想通貨を世の中に知らしめたいと思いこのブログを開設しました。

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車 10~

十 夢の中で浩一は大きな歯車に挟まれ苦しんでいた。 やがてその歯車が、大きな力でいきなり歪みはじめて 浩一の身体を押しつぶすように回転し始めたのである。 浩一の肉体は捻じ曲げられ内臓は飛び散りその四肢が バラバラになったところで眼が覚めた。 「…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車9 ~

九 灯りを消した部屋で、浩一はパソコンの前に坐って いた。その顔はパソコンの画面の青白い光に照らされ 闇の中に不気味に浮かんでいた。その眼はパソコンの 前においてある紙袋をじっと見つめている。紙袋の中 には昼間浩一が阿久戸金融から借りた三十万円…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車8~

八 2014年2月にビットコイン消失事件が起き、最終 的に500億円相当の被害が出て、同年4月にマウント ゴックス社は事実上の経営破綻に追い込まれた。 記者会見の放送が流れてあっという間にこのビット コインの取引高世界一と言われた取引所は崩壊した。 あま…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車 7~

七 「えー人生を生きて行く上で、、この世の中には三つの 坂があると言われています。先ず一つ目の坂は上り坂、 そして二つ目は下り坂、三つ目の坂がまさかと言う坂で す」 これは、よく結婚式のお祝いスピーチなどで会社の上司 とかがたとえ話に使う事の多…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車 6~

六 春に出た若葉がその盛りを過ぎ秋を迎え、色も眩し い緑から赤く色づきやがて冷たい北風に耐えきれずは らはらと地面に落ちた。冬を知らせる白い雪がしんし んとその落ち葉に積り、道路がまるで綿毛を敷き詰め たように真白になり、そして暖かい春風が又、…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車5~

五 「いやーっ、危なかったもう少しでアパート追い出さ れるとこだったよ」 浩一が取り敢えずしたのは、住居費、光熱費、通信費 の支払いだった。先ずこれを押さえとかないとネットビ ジネスどころかインターネットも使えないんじゃ笑えな い笑い話になって…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車4~

四 窮鼠猫を噛むと言うが、人間も例外ではないらしい 浩一が坂田からもらった仮想通貨を失ったのがちょ うど一週間前だったが、それからのこのダメ男の行 動は早かった。普通の人間だったら失った物が大き ければ大きいほどがっくりきて暫くは動けないもの …

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車3~

三 季節はいつの間にか、夏から秋に変わろうとしてい た。うるさかった蝉達も随分と少なくなり、今はひぐ らしが切なげにカナカナカナと鳴いている。浩一が、 坂田と酒を飲んでからもう二ヶ月近く経っていた。 失業保険はとっくに切れていたが、それでも浩一…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車2~

二 「いやーっ、お前最高のタイミングで連絡してくれた わ」 浩一が、ビール片手に満面の笑みで喋っている。 正 面に坐っているのは、坂田和彦という名前で浩一の 大 学の学友だった。 「びっくりだよ、久しぶりに日本に帰ってきたからお前 の顔でも見ようか…

【仮想通貨関連小説】~歪んだ歯車1~

歪んだ歯車 一 今いる、世界が全てならそれに従うしかない、それは そうだろうとは思っている。 多分もう決まっている運命なのだと、自分がどう逆らっ ても変えようもない事であったとして、それでも違う未 来があるような気持ちには時々なったりする。でも…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 7~

七 エピローグ 洋上の潮風が少し日焼けした顔に心地よかった。船室 に飽きて甲板に出てきた陽一は深呼吸して胸にいっぱい 新鮮な空気を吸い込んだ。日本の港を出てから一週間が 過ぎたのだが、まだ夢を見ているような気分が抜けない 陽一だった。夫婦は今、…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 6~

六 暗雲の向こう側 坂井家の住宅は、市街地の中心からかなり郊外の方にあ るので車で飛ばしても市内まで三十分はかかる。走りは じめた車内には妙な空気が漂っていた。今や猜疑心の塊 になっている父親は、押し黙ったままだし,息子の将来 を悲観している母親…

【仮想通貨小説】~仮想の果実5~

五 求めない誤解 陽一と順子は、二階の和彦に聞こえないように気を使 いながら小声で話しをしていた。和彦はまだ寝ているよ うだ。夫婦の話の中心はどうやって和彦を怒らせずに病 院に連れて行くかだった。あれから陽一は、和彦から自 分がいかにして億万長…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 4~

四 霧の中 陽一は、書斎で酒の酔いを醒ましていた。夕食を食べ ながら切り出した二人の大事な話というのは、やはり結 婚の事であった。夫婦ともだいたい察しはついてはい た。 とはいうものの具体的に結婚の二文字が出てくると少し だけ気おくれする感じは否…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 3~ 

三 宴の日 坂田家には、いわゆる猫の額ほどの庭がある。その庭 に入る門柱のステン製の扉を開けると右側に見るからに 貧弱そうな雑木がある。 多分どこかの鳥が種子を運んできたものだと思う。なぜ なら夫婦にはそれを植えた記憶がなかった。それから玄 関の…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 2~

二 春の日の来訪者 「はーい、今行きます」 妻の順子の声が聞こえ、玄関を開ける音がし続いて若 い女の声がした。 「こんにちは・・・」 「あのー、どちら様でしょうか?」 順子のちょっと警戒するようなそれでいて少し嬉しそ うな声がしていた。 「あの・・…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 1~ 

一 老いの誤算 「もう、あれから一年か・・・・・」 と、陽一はつぶやいた。つぶやいて、大きな溜息をつく 、その後両手で頭を抱えるポーズをとる。そしてまた、 溜息をつくそんな事を繰り返しながら陽一はこの一年を 過ごしてきた。坂田陽一は、今年六十二…