星野ヒカルの仮想通貨関連小説

初めまして星野ヒカルといいます。仮想通貨の可能性に惚れこみ自ら仮想通貨の投資をやりつつ仮想通貨を世の中に知らしめたいと思いこのブログを開設しました。

【仮想通貨小説】~仮想の果実 4~

四 霧の中 陽一は、書斎で酒の酔いを醒ましていた。夕食を食べ ながら切り出した二人の大事な話というのは、やはり結 婚の事であった。夫婦ともだいたい察しはついてはい た。 とはいうものの具体的に結婚の二文字が出てくると少し だけ気おくれする感じは否…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 3~ 

三 宴の日 坂田家には、いわゆる猫の額ほどの庭がある。その庭 に入る門柱のステン製の扉を開けると右側に見るからに 貧弱そうな雑木がある。 多分どこかの鳥が種子を運んできたものだと思う。なぜ なら夫婦にはそれを植えた記憶がなかった。それから玄 関の…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 2~

二 春の日の来訪者 「はーい、今行きます」 妻の順子の声が聞こえ、玄関を開ける音がし続いて若 い女の声がした。 「こんにちは・・・」 「あのー、どちら様でしょうか?」 順子のちょっと警戒するようなそれでいて少し嬉しそ うな声がしていた。 「あの・・…

【仮想通貨小説】~仮想の果実 1~ 

一 老いの誤算 「もう、あれから一年か・・・・・」 と、陽一はつぶやいた。つぶやいて、大きな溜息をつく 、その後両手で頭を抱えるポーズをとる。そしてまた、 溜息をつくそんな事を繰り返しながら陽一はこの一年を 過ごしてきた。坂田陽一は、今年六十二…