星野ヒカルの仮想通貨関連小説

初めまして星野ヒカルといいます。仮想通貨の可能性に惚れこみ自ら仮想通貨の投資をやりつつ仮想通貨を世の中に知らしめたいと思いこのブログを開設しました。

2018-01-01から1年間の記事一覧

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 15 ~

十五 11月も半ばを過ぎたこの頃、しかも深夜ともな れば一段と寒くなるの普通の事なのだが、この人 気のないビルディングの建設現場の一角にあるプ レハブ小屋の中だけは、異様ともいえる熱気に包 まれていた。 「ほら、早くこいつ裸にむいちゃいなよ」 もう…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 14 ~

十四 由香里の意識が徐々に戻って来て、少し身体を 動かそうとした時「ズキッ」っと後頭部に痛みが 走った。 「ウグッ」 声にならない呻きが洩れた。それもその筈で由 香里の目と口は、ガムテープでしっかり塞がれて いて、かろうじて鼻腔だけは塞がれてない…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 13 ~

十三 渋谷の繁華街と言えども一歩裏手に入ると普通に 薄暗い路地はあるもので、その一角にどう見てもガ ラの良く無さそうな高校生の数人が、やはり同年代 と思われる少年二人を取り囲んでいた。中でも背が 高くて一番眼つきの悪いそいつが、その少年の胸ぐ …

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 12 ~

十二 「うーっ、正直息がつまる」と、自分の部屋なのにそ う思っている僕がいた。それは、部屋中に充満してい る煙草の匂いと煙のせいだったが、もう我慢の限界と勇気を振り絞って田崎所長に言った。 「あのー、田崎所長コンビニに行きますけど何かいる 物が…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 11~

十一 「何で、こんな事に・・・」 僕は、焦る心を押さえて夜の渋谷の繁華街を走っ ていた。 話は一週間前に遡ることになる。由香里さんの伯 父さん、田崎所長の許しを得て「僕の部屋に侵入し た犯人探しと言うミッション」は、めでたく田崎探 偵事務所の仕事…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 10 ~

十 危険に遭遇したときの恐怖をあらゆる動物は、 もっと肌で感じ想像して行動すべきである。底 無し沼に落ちてしまった森の小鹿を、誰も助け てはくれないのだ。ただ沼に足を踏みこんでし まった自分の軽率さを呪いながら泥の中に沈ん でいくだけしかないの…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 9 ~

九 映画館の中は日曜日という事もあって、ほぼ 満席状態だった。上映時間になり照明が落とさ れ暗さに眼が慣れた頃、僕は買っておいたコー ラを飲んだ。出来るだけ音をたてずに由香里さ んの映画鑑賞の邪魔にならない様に、少しだけ 気を使った。由香里さん…

八 眼が覚めると、いつの間に帰ったのか由香里 さんの姿は無かった。彼女に掛けた筈の毛布は、 いまは僕の躰にあり、小さなメモには簡単な伝 言が綴ってあった。 「お世話になりました。じゃ、またね。田崎由 香里」 少し、二日酔い気味だったが気分は悪くな…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 7 ~

七 「この世界に存在するのは、老化と風化だけだ。 時間があるように感じるのは錯覚に過ぎないのだ が、困ったことに人間にとってこの錯覚がないと 非常に生きづらいと言うのもまた、事実なのであ る」 あの衝撃的な夜から一カ月が過ぎていた。監視 カメラの…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 6 ~

六 「ヴィーン、ガッ、ガッ、ガッ」 勢いよく充電式の電動ドライバーが台座を固定して 行く、彼女、いや由香里さんに教えられたとおりに隠 しカメラを出来るだけ目立たない所それでいて廊下全 体をカバー出来る場所に二カ所取り付けた。勿論、大 家さんには…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 5 ~

五 「ねえ、聞いてます?」 そう言われて、僕はハッとして彼女の眼を視てみた。 実は依頼した件を断られた後その理由を田崎所長が説明 してくれたのだが、それがあまりにも簡単すぎて僕は納 得しなかったのだ。 「まあ、単刀直入に申しあげますとこの件に関…

【仮想通貨関連小説】~ REGAIN 4 ~

四 彼女を渋谷のスクランブル交差点で見かけてから1 週間が経っていた。部屋の鍵は防犯用の二重鍵に変え たので、侵入される不安は解消したのだが、どうにも 腑に落ちない疑問は解消するどころかむしろ僕の胸の 中で、まるで悪性の腫瘍の様に日に日に膨らん…